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2020 第32回 筑波スーパーバトル 2020/12/03(Thu) 18:21:10
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筑波スーパーバトルにS2000 R/T号で参戦し、目標タイムの1分2秒台を記録しました。


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今シーズンのシェイクダウンは筑波スーパーバトルの前日走と言う過去最高のギリギリスケジュールでしたが、基本的に完成された車両の性能を引き出して走るFIA-GT4のような車両でのタイムアタックだと考えれば、トップクラスのセットアップ能力がある加藤寛規選手を擁するASMなら可能です。全て1年前からの予定通りで、Covid-19の影響は一切ありません。


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9:00スタートの1本目はセミウェットだったので中古タイヤを履いて路面コンディションを確認しながら周回を重ね、最終ラップで3秒フラットを記録しました。ニュータイヤに履き替えた11:10スタートの2ヒート目にタイムアタックして、1分02秒551と1分02秒802を記録しました。日本中ほとんどの人にとっては『だから?』と言う数字かもしれませんが、ノーマルエンジン・ノーマルミッション、GTウィングなし、車高・ホイール突出・排気騒音値など完全保安基準適合S2000による2秒台での連続タイムアタックは、筑波サーキットを走り込んでいるタイムアタッカーの皆さん達や違法改造車で公道走行している人達の目に、どう見えるのでしょうか。


201203_REV_44.jpg


以下4点が昨シーズンとのタイム差の要因です。

(1)4.4ファイナル+ASM G.T WORKS GENROMの9,000rpmレブで、コースにギヤが合ったこと。
(2)加藤寛規選手の指定バネレート前23.2kgf/mm・後25.0kgf/mmにして、車体の動きを抑えたこと。
(3)ドライバーより前を7Kg軽量化してC/Wを改善し、全域でアンダーステアを軽減したこと。
(4)セットアップを担当した阿部の考えでリア側トゥを減らして、最高速度が2km/h向上したこと。


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予想以上の好タイムでしたが、いくつかの反省点の中にタイムアップの可能性もありました。1分02秒551を記録した後2回目のタイムアタック時にベストタイムを更新できなかった原因です。気温・路面温度ともに8〜9℃と言うコンディションの影響もあり、走行中に右フロント内圧が下がってタイムに悪影響が出たので、今後は前後輪の温度・内圧管理に加えて前左右輪それぞれを個別管理する必要があります。


201205_Trunk_.jpg


さらに重要だったのは、1ヘア脱出時とダントップ通過後〜2ヘア進入で左リアタイヤが空転していた原因です。スタビライザーをソフトに変更したりプリロードをかけても解決できずチームの誰もが『純正ボディの限界』と結論付けていた中、大ベテランメカニック坂上の『静的な車高数値ではなく、実際のコーナーウェイトに合わせた1号車と同じ手法でセットアップするべきではないか』との意見に従い、右フロント車高を4mm高くしてテストしました。結果は◎で見事解決です。

◇セットアップ
<車高>
(左前)94mm (右前)95mm
(左後)110mm (右後)112mm
<コーナーウェイト> 1,230.5s(前50.43:後49.57)
(左前)333.5kg (右前)287.0kg
(左後)281.0kg (右後)329.5kg *左右差48.5Kg

◇セットダウン
<車高>
(左前)91mm (右前)95mm
(左後)107mm (右後)111mm
<コーナーウェイト> 1,230.0s(前50.08:後49.92)
(左前)316.0kg (右前)300.5kg
(左後)295.5kg (右後)318.0kg

セットダウンでの数値を見ると右フロント車高を上げたことで左リアが下がり、左リア荷重が増して左右輪のコーナーウェイト差が減少しています。空転しながらも車は前に進んでいたからタイム短縮に繋がるかどうか微妙ですが、12/22(火)REVSPEED鈴鹿サーキット走行会に向けて原因特定できました。


201203_REV_3_s.jpg


エンジニアリングを担当する阿部の知識と、1号車で多くの修羅場を乗り越えてきた大ベテランメカニック坂上の経験と、絶対的判断基準の加藤寛規選手からのフィードバックを組み合わせて、ノーマルエンジン/ノーマルミッション・GTウィングなし・完全保安基準適合を満たした正真正銘のリアルチューニング号で、更なる速さ=筑波1秒台を目指します。




■2020 第32回 筑波スーパーバトル

ドライバー:加藤寛規選手
ADVAN A052 1'02.551 (Sec.1 25.591 Sec.2 25.679 Sec.3 11.081 169.758km/h)

チーフエンジニア兼メカニック:阿部(ASM)
メカニック:坂上(ASM)

総合プロデューサー:金山


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